Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くびがおちたはなし

首が落ちた話

芥川 竜之介

Leggi 首が落ちた話 (くびがおちたはなし) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7634 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

だから軍医官でも何でも、妙にあいつが可愛いかったと見えて、特別によく療治をしてやったらしい。あいつはまた身の上話をしても、なかなか面白い事を云っていた。殊にあいつが頸に重傷を負って、馬から落ちた時の心もちを僕に話して聞かせたのは、今でもちゃんと覚えている。ある川のふちの泥の中にころがりながら、川楊の木の空を見ていると、母親の裙子だの、女の素足だの、花の咲いた胡麻畑だのが、はっきりその空へ見えたと云うのだが。」

木村少佐は葉巻を捨てて、珈琲茶碗を唇へあてながら、テエブルの上の紅梅へ眼をやって、独り語のように語を次いだ。

「あいつはそれを見た時に、しみじみ今までの自分の生活が浅ましくなって来たと云っていたっけ。」

「それが戦争がすむと、すぐに無頼漢になったのか。だから人間はあてにならない。」

山川技師は椅子の背へ頭をつけながら、足をのばして、皮肉に葉巻の煙を天井へ吐いた。

「あてにならないと云うのは、あいつが猫をかぶっていたと云う意味か。」

「そうさ。」

「いや、僕はそう思わない。少くともあの時は、あいつも真面目にそう感じていたのだろうと思う。恐らくは今度もまた、首が落ちると同時に(新聞の語をそのまま使えば)やはりそう感じたろう。