Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうすいしんし
香水紳士
大阪 圭吉
Leggi 香水紳士 (こうすいしんし) di 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7752 caratteri · 16 schermate
すると紳士は、いよいよわけが判らないというような顔をしながら、少からずうろたえはじめ、急にいそぎ足になった。
と、その体から立ちのぼる芳香は、自ら捲きおこした風に乗って、いよいよひろまり、一層多くの人びとが立ちどまって、不思議そうに紳士を見詰めはじめた。
紳士は、泣き出しそうに顔をしかめた。が、急に今度は、真ッ赤になると、歩きながらしきりとなにかブツブツいいはじめた。そして前よりも一層はげしくうろたえはじめ、あわてた足どりで、プラット・ホームから地下道へ、地下道から駅の出口へと、折から爽やかな五月の微風に、停車場一面ときならぬ香水の嵐をまきおこしながら、かけ出して行った。
このような紳士が、駅の出口で、さっきから鼻をヒクヒクやりながら、待ちかまえているお巡りさんを、ごまかすことが出来よう筈はない。‥‥
その晩、東京のお家へ帰ったクルミさんのところへ、警視庁のえらいお巡りさんと、××銀行の支配人さんと、それから新聞社の人たちがやって来た。
写真をとられたり、色々な話を聞かれたりしたあとで、銀行の支配人さんがいった。
「お嬢さん。あなたのお蔭で、私共の銀行は、おお助かりをいたしました。