Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
うま
馬
佐左木 俊郎
Leggi 馬 (うま) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7299 caratteri · 15 schermate
「ほんでも、金で持ってるど、眼に見えねえごとに遣ってしまうんじゃねえかね。」
女房のスゲノは首を傾げながら言うのだった。炎天の下に水を溜めようとしても、水は、いつの間にか蒸発してしまう。伝平もそれは知っていた。
「思い切って、耕平の野郎さ、立派な墓石でも建ててやるか?」
伝平は眼を輝かしながら言った。
「それさね。ふんでも、立派な墓石など建てたって、毎日お墓さ行って見れるもんでもあるめえしね。何か家さ置けるものを買ったら、どんなものかね。」
「それじゃ仏壇でも買うか?」
「それよりも、思い切って、馬のいいのを買ったらどうかね。耕平も、馬を買うべって稼ぎに行って……」
母親はそう言っているうちに、涙がじめじめと虫のように匐い出して来て、言葉が継げなくなった。
「よし! 馬を買うべ! 馬のいいのを買うべ!」
伝平は手を叩くようにして言った。
伝平はそうして、七十円ばかりで、橡栗毛の馬を一匹買ったのだった。残りの金では、馬小屋にも手入れをした。そして、伝平は、一日のうち、馬小屋にいる時間の方が、遙かに長かった。
「おおら! おおら! おおら!」
伝平はそう言って、馬の肩あたりを撫でてやりながら、いつまでも凝っと馬の眼を視詰めているのだった。