Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

たかおざんげ

高尾ざんげ

豊島 与志雄

Leggi 高尾ざんげ (たかおざんげ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.252 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

とたんに、菊千代は両袖でその手首を抱きかかえました。

「ばかだね、身振りだけしてみたんだよ。」

「あたしも、お芝居をしてみたのよ。」

なにか面はゆく、菊千代は立って硝子戸を開けました。月はないのに仄明るく、いつしか雪が降りだしていました。

「また降ってきたね。」

返事がないので、振り向いてみますと、檜山は涙ぐんで眼をしばたたいていました。菊千代は驚いて、席に戻りましたが、言葉が出ませんでした。大きな感動に似たもので、頭がふらふらしました。

「僕は、どうも駄目らしい」

ぽつりと言われたのへ、菊千代は押っ被せました。

「檜山さん、眼をつぶって二階から飛び降りる……そんなこと、考えなすったことがあって……。」

檜山はうるんだ眼で、菊千代を眺めました。

「あたし、ほんとに酔っ払うわ。どうなっても知らないわよ。」

菊千代は立ち上って、あわただしく階下へおりてゆき、帳場にいるお上さんのそばに、ぴたりと坐りました。

「お上さん、お願いよ。今晩、お頼みするわ。検番ぬきに、あたしもお客さんなみにね。」

お上さんはゆっくり頷きながら、小首をかしげて、菊千代の様子をじっと眺めました。