Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たかはまきょしちょ『けいとう』じょ

高浜虚子著『鶏頭』序

夏目 漱石

Leggi 高浜虚子著『鶏頭』序 (たかはまきょしちょ『けいとう』じょ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6746 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

余は自己の考を述べて、こんな風にも小説は解釈が出来るものだと読者から認めて貰えば好い。喧嘩を売る料簡でもなし、売られた喧嘩を買う気もない。従がって思う通りを思う通りに述べて誤解のないように力めて置かなければならない。

個人の身の上でも、一国の歴史でも相互の関係(利害問題にせよ、徳義問題にせよ、其他種々な問題)から死活の大事件が起ることがある。すると渾身全国悉く其事件になり切って仕舞う。普通の人間の様に行屎走尿の用は足して居るが、用を足して居るか、居らぬか気が付かぬ位に逆上せて仕舞う。先達て友人が来てこんな話をした。小田原で暴風雨があった時、村の漁船が二三杯沖へ出て居て、どうしても濤を凌いで磯へ帰る事が出来ない。村中一人残らず渚へ出て焚火をして浮きつ沈みつする船を眺めて居る許りである。此方から繩を持って波を切って、向うの船へ投げ込んで、其繩を引いて陸へ上げるのが彼等の目的である。がそう思う様に目的は達せられんので晩からかけて翌日の午後の三時頃迄は村中浜へ総出の儘風の中、雨の中を立ち尽して居た。所が其長時間のうち誰一人として口を利いたものがない又誰一人として握り飯一つ食ったものがないとの事である。