Classici giapponesi con furigana
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げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate
帽子を脱ぎてその中に入れたるを、衆人の前に差し出して、渠はあまねく義捐を募れり。
あるいは勇んで躍り込みたる白銅あり。あるいはしぶしぶ捨てられたる五厘もあり。ここの一銭、かしこの二銭、積もりて十六銭五厘とぞなりにける。
美人は片すみにありて、応募の最終なりき。隗の帽子は巡回して渠の前に着せるとき、世話人は辞を卑うして挨拶せり。
「とんだお附き合いで、どうもおきのどく様でございます」
美人は軽く会釈するとともに、その手は帯の間に入りぬ。小菊にて上包みせる緋塩瀬の紙入れを開きて、渠はむぞうさに半円銀貨を投げ出だせり。
余所目に瞥たる老夫はいたく驚きて面を背けぬ、世話人は頭を掻きて、
「いや、これは剰銭が足りない。私もあいにく小かいのが……」
と腰なる蟇口に手を掛くれば、
「いいえ、いいんですよ」
世話人は呆れて叫びぬ。
「これだけ? 五十銭!」
これを聞ける乗り合いは、さなきだに、何者なるか、怪しき別品と目を着けたりしに、今この散財の婦女子に似気なきより、いよいよ底気味悪く訝れり。
世話人は帽子を揺り動かして銭を鳴らしつつ、
「〆て金六十六銭と五厘! たいしたことになりました。