Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

折から磧の小屋より顕われたる婀娜者あり。紺絞りの首抜きの浴衣を着て、赤毛布を引き絡い、身を持て余したるがごとくに歩みを運び、下駄の爪頭に戞々と礫を蹴遣りつつ、流れに沿いて逍遥いたりしが、瑠璃色に澄み渡れる空を打ち仰ぎて、

「ああ、いいお月夜だ。寝るには惜しい」

川風はさっと渠の鬢を吹き乱せり。

「ああ、薄ら寒くなってきた」

しかと毛布を絡いて、渠はあたりをしぬ。

「人っ子一人いやしない。なんだ、ほんとに、暑いときはわあわあ騒いで、涼しくなる時分には寝てしまうのか。ふふ、人間というものはいこじなもんだ。涼むんならこういうときじゃないか。どれ、橋の上へでも行ってみようか。人さえいなけりゃ、どこでもいい景色なもんだ」

渠は再び徐々として歩を移せり。

この女は滝の白糸なり。渠らの仲間は便宜上旅籠を取らずして、小屋を家とせるもの寡なからず。白糸も然なり。

やがて渠は橋に来りぬ。吾妻下駄の音は天地の寂黙を破りて、からんころんと月に響けり。渠はその音の可愛さに、なおしいて響かせつつ、橋の央近く来たれるとき、やにわに左手を抗げてその高髷を攫み、

「ええもう重っ苦しい。