Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

渠は想えり。濶達豪放の女丈夫! 渠は垂死の病蓐に横たわらんとも、けっしてかくのごとき衰容をなさざるべきなり。烈々たる渠が心中の活火はすでに燼えたるか。なんぞ渠のはなはだしく冷灰に似たるや。

欣弥はこの体を見るより、すずろ憐愍を催して、胸も張り裂くばかりなりき。同時に渠はおのれの職務に心着きぬ。私をもって公に代えがたしと、渠は拳を握りて眼を閉じぬ。

やがて裁判長は被告に向かいて二、三の訊問ありけるのち、弁護士は渠の冤を雪がんために、滔々数千言を陳ねて、ほとんど余すところあらざりき。裁判長は事実を隠蔽せざらんように白糸を諭せり。渠はあくまで盗難に遭いし覚えのあらざる旨を答えて、黒白は容易に弁ずべくもあらざりけり。

検事代理はようやく閉じたりし眼を開くとともに、悄然として項を垂るる白糸を見たり。渠はそのとき声を励まして、

「水島友、村越欣弥が……本官があらためて訊問するが、裹まず事実を申せ」

友はわずかに面を擡げて、額越しに検事代理の色を候いぬ。渠は峻酷なる法官の威容をもて、

「そのほうは全く金子を奪られた覚えはないのか。虚偽を申すな。たとい虚偽をもって一時を免るるとも、天知る、地知る、我知るで、いつがいつまで知れずにはおらんぞ。