Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうやひじり

高野聖

泉 鏡花

Leggi 高野聖 (こうやひじり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.025 caratteri · 71 schermate

Aozora Bunko

呆気に取られて見る見る内に、下の方から縮みながら、ぶくぶくと太って行くのは生血をしたたかに吸込むせいで、濁った黒い滑らかな肌に茶褐色の縞をもった、疣胡瓜のような血を取る動物、こいつは蛭じゃよ。

誰が目にも見違えるわけのものではないが、図抜て余り大きいからちょっとは気がつかぬであった、何の畠でも、どんな履歴のある沼でも、このくらいな蛭はあろうとは思われぬ。

肱をばさりと振ったけれども、よく喰込んだと見えてなかなか放れそうにしないから不気味ながら手で抓んで引切ると、ぷつりといってようよう取れる、しばらくも耐ったものではない、突然取って大地へ叩きつけると、これほどの奴等が何万となく巣をくって我ものにしていようという処、かねてその用意はしていると思われるばかり、日のあたらぬ森の中の土は柔い、潰れそうにもないのじゃ。

ともはや頸のあたりがむずむずして来た、平手で扱て見ると横撫に蛭の背をぬるぬるとすべるという、やあ、乳の下へ潜んで帯の間にも一疋、蒼くなってそッと見ると肩の上にも一筋。

思わず飛上って総身を震いながらこの大枝の下を一散にかけぬけて、走りながらまず心覚えの奴だけは夢中でもぎ取った。