Classici giapponesi con furigana
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おに
鬼
江戸川 乱歩
Leggi 鬼 (おに) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.138 caratteri · 60 schermate
ところで、爺さん、君、この着物に見覚えはないかね。村の娘だと思うのだが」
「こうっと、こんな柔か物を着る娘と云や、村でも四五人しかないのだが、……アアそうだ、わしの家のお花に聞いて見ましょう。あれは若いもんのこったから、同じ年頃の娘の着物は、気をつけて見覚えてるに違えねえ。オーイ、お花やあ……」
爺さんの怒鳴り声に、やがて娘のお花が、
「ナーニ、お父つぁん」
と番小屋を駈け出して来た。
彼女は叢の死骸を見ると、キャッと悲鳴を上げて逃げ出しそうにしたが、父親に引止められ、怖々着物の裾の方を見て、たちまちその主を鑑定した。
「アラマア、この柄は山北の鶴子さんのだわ。村中でこの柄の着物持ってるのは、鶴子さんの外にありゃしないわ」
それを聞くと、大宅幸吉の顔色がサッと変った。無理はない。山北鶴子と云えば、大宅が嫌い抜いている彼の幼時からの許婚の娘だ。その鶴子が時も時、結婚問題で悶着の起っている今、かくも無惨な変死をとげたのだ。大宅が青くなったのは、別に不思議でない。
「間違いはねえだろうな。よく考えて物を云うがええぞ」
仁兵衛爺さんが注意すると、娘は段々大胆になって、死骸の全身を注意深く眺めていたが、