Classici giapponesi con furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Leggi 魔像 (まぞう) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 131.494 caratteri · 260 schermate
え?」
弱いほうに味方するこころ、お妙のために口をきいてやろうという気がすわって、知らずのお絃は、ソロソロ性得の鉄火肌を見せ出した。上りくちにしゃがんで、膝に頬杖をつきながら、切れの長い眼に険を持たせて、ジーッ! 三次を見つめた。
「どこの娘? どこの娘だっていいじゃないか。知りあいの家の娘さんさ。大きにお世話だよ。お前こそ、どこの人だい。江戸じゃアあんまり見かけない鬼瓦だねえ」
「何を吐かしゃアがる。知りえいの家の娘もねえものだ。これアおいらの妹、おいらアこれのお兄様なんだ。いいか、わかったか。わかったら、つれて行くぞ。文句はあるめえナ」
「飛んでもない!」お妙が、お絃のうしろから、恐怖におののく声で、「兄だの、妹だのと、みんなうそでございます。わたくし、そんな方にお眼に掛ったこともございません」
「ソレソレ、それがお前の病というものだ」三次は、ちょっと優しい眼になって、お妙のほうへ擦り寄りそうにしながら、「アア情ねえ。なさけねえ。いくら狂っているからって、現在てめえの兄貴ともあろうものを見忘れるなんて――」
いきなり三次は、手を伸ばしてお妙を引き寄せようとした。