Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まぞう

魔像

林 不忘

Leggi 魔像 (まぞう) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 131.494 caratteri · 260 schermate

Aozora Bunko

「おい、そこらに黒門町はいないかえ」

「壁辰の親方さんでございますか」居合わせた下女の一人が答えた。「おや、つい今し方までそこらにお見えでござんしたが、どこへ行ったのでございましょう」

まだ残っている者も多いので、それらのあいだを、壁辰さんはいませんかと探してみたが、どこにもいない。

「いつお帰りになったのでございましょう。お見えにならないようでございますよ」

「そうか」

と言って、幸兵衛はあわただしく二、三人下男の名を呼んだ。が、みんな振舞いにうつつを抜かして、遊びにでも出たのか、答えるものもないのである。

「チエッ、しようのないやつらだ。酒を呑むのも、今日はめでたい日だから何にも言わないつもりですが、一人ぐらいしっかりしたのがいなくちゃ、用が足りないじゃないか」

薬罐頭が湯気を上げてプリプリ言っているから、若旦那の幸吉が傍から心配して、

「おとッつぁん、どうしたのでございます。何か御用でございますか」

「あッ。壁塗りの手間賃のことで、壁辰さんに話すのを忘れたことがあるのだ。ちょっと誰かに使いに行って、呼んで来て貰いたいと思うのだが、どいつもこいつも喰らい酔っていて、てんで家にいません。