Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいじんじゅうまんかん

魯庵の明治 山口昌男、坪内祐三編

内田 魯庵

Leggi 魯庵の明治 山口昌男、坪内祐三編 (かいじんじゅうまんかん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.671 caratteri · 55 schermate

Aozora Bunko

笑い興じていた。

重役の二三人は新聞記者に包囲されていた。自分に特に面会を求めたのも新聞記者であって、或人は損害の程度を訊いた。或人は保険の額を訊いた。或人は営業開始の時期を訊いた。或人は焼けた書籍の中の特記すべきものを訊いた。或人は丸善の火災が文明に及ぼす影響などゝ云う大問題を提起した。中には又突拍子もない質問を提出したものもあった。曰く、『焼けた本の目録はありますか?』

丸善は如何に機敏でも常から焼けるのを待構えて、焼けるべく予想する本の目録を作って置かない。又焼けてから半日経たぬ間に焼けた本の目録を作るは丸善のような遅鈍な商人には決して出来ない。概算一万三千種の書目を作るは十人のタイピストが掛っても二日や三日では出来るものではない。恐らく此記者先生は丸善を雑誌屋とでも思ったのであろう。此質問一ヵ条を持出して、『目録は出来ていません』と答えると直ぐ『さよなら』と帰って了った。

見舞人は続々来た。受附の店員は代る/″\に頭を下げていた。丁度印刷が出来て来た答礼の葉書の上書きを五人の店員が精々と書いていた。其間に広告屋が来る。呉服屋が来る。家具屋が来る。