Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
「ではお綱と弦之丞めは、すでにこの山の深みへ入り込んでいると申すのじゃな」
「多分……」と少し曖昧になったが、眼八、自分の見込みに誤りはないと自信をもって、
「……そうだろうと思います、いや、こっちで下手を踏んでいると、いつ、この間者牢へあらわれて、世阿弥を助けだそうとするか分りません。なにしろ、ご要心なすって下さい」
三位卿は混惑してきた脳髄をいきなり村正かなんぞの鋭利な閃刃で、スッカリと薙ぎ抜けられたような心地がして、踏みしめている足の裏から、かすかな戦慄さえおぼえた。
「ここへやって来る以上は弦之丞も、死にもの狂いに違いありません。たださえ腕の冴えた奴、そいつが夜叉になって暴れ廻った日には、とても、同心方やあっしの手では抑えがつきません。どうか、よろしく一つお手配を願いとうございます」
「そうか……」と、すべてを聞き終った有村は、下唇を締めて、こうしてはおられないという焦躁を、静かな動作のうちにゆるがせた。
「眼八、そちはこの足で麓へ急げ、そして山見付の溜りへ急を知らせ、十分に、手分けをしておくよう、この有村がいいつけじゃと伝えるがよい」
「合点です、じゃ……」