Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
好きな人間は殺せまいが、おぬしにしたところでな」
「ははあ、それだけでございますか」
「理由をつければ幾らもある。第一、弦之丞やお綱を殺さぬことは、蜂須賀家のおんため、後にいたっていいことなのだ」
「なぜでございましょう」
「幕府の怒りを少なくする」
「でも公然と、討幕の兵をさえ挙げますのに」
「ところが、それはものにならない。いざとなる間際の日に、必ず、堂上二十七家のうちから、グラつきだす者が出て、禁門お味方と称する西国大名も、素早く旗色を引っこめる。まずそこいらがオチで、後はまた、幾十年かの歳月を待たなければ、ほんとの尊王攘幕の声はあがるまい」
「とすると、お家はどうなりましょう」
「一番損な立場になる。阿波守様のあの御気質がそれを招いた。上手にという技巧をなさらないお方だからな」
「ではなおさら、弦之丞を無事に江戸へ帰すのは、お家の不利でございませぬか」
「あれは江戸の武士であっても徳川家の味方ではない。大義の正しいことを心得ておる人物だ。むずかしくいえば、思想的には尊王家で、身は江戸方に籍を置く人間なのだ。したがって、かれの肉親や周囲のきずなは、みな幕府の人につながっている。