Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
わっと乱れたが、すぐにまた捕手は彼女へ追いかかった、「御用」「御用」「御用」それは仮借のないごずめずが針の山へ罪のものを追いあげてゆく責め声のように。
中西弥惣兵衛は割羽織をぬぎすてて、
「うぬ、捕った!」
のめるようにかけだして、きゅっと捕縄の一端をしごいたが――その時、一人の男、宙を飛んでくるなり弥惣兵衛の腕にしがみついて、
「待ってくれ」と絶叫した。
「何?」
手もとを狂わせて、弥惣兵衛は、腹立たし気な目をその男にくれた。
「私は天満の目明し万吉と申すものでござります――。しばらく、御猶予を願いとう存じます」
「だまれ、そちは天満組の名をかざしてこの捕り物に故障をいおうとするか」
「いえ、決してそういうわけではございませぬが、今ここでお綱がお手あてになりましては、ある一つの事件と、さる方々の上に、実に当惑する難儀がひそんでおるのでございます。で、どうか、今この場だけを御寛大に」
「いや、うすうすそんな様子も察しているが、わしの役儀は町方与力だ。たとえ、事情や場合はどうあろうと、あくまで、法縄は公明に十手は正大にうごかなければならん」
と中西弥惣兵衛、頑として肯く気色はない。