Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
それにもう家の良人は、出たが最後、居所などを知らせてきた試しのない人でございますから」
「こいつめ、あくまで吾々を愚にしているな」
というと畳の上へ、笠をぬいでほうりだして天堂一角、土足のまま跳び上がって、
「泥を吐かねば、こうしてやる。さ、万吉は只今どこに隠れているか、また、法月という虚無僧に旅の女も、一度はここを訪ねたであろう。その居所をいえ、さ、ぬかさぬか」
と、お吉の腕をとって、いきなり後ろへねじ上げたかと思うと、続けざまに、二ツ三ツ撲りつけた。
女ひとりと見くびっているので、一角がお吉をぞんぶんにいじめつけている間に、才気走った周馬の眼が、ジロジロと家の中を睨め廻して、これも屋内へ上がりこんでくる。
そして、それが当然に、自分のする役割でもあるかの如く、方々の戸棚をガラガラと開けたかと思うと、行李のふたをあけ、文庫をぶちまけ、果ては、長火鉢から針箱の抽斗まで引っかき廻して反古らしいものを片っ端からあらためはじめた。
たちまちにして、つつましやかな世帯の中を屑問屋へ大風が見舞ったようにしてしまったが、さて、万吉から来たらしい手紙もなし、またその後の消息をうかがうような反古は何ひとつとして見つからないので、周馬が小才も骨折り損となり終ると同時に、一角も、やや張合いを失って、吾ながら少し大人気ないとも思いなおし