Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
「剣山の御制度をわらい、間者を殺せば祟りがあるという御当家のきびしい掟を、迷信なりといって故意に矢を射て殺したものでござる。しかもその下手人は――」
「あいや!」
と、いきなり声を出して、三位有村、啓之助の言葉を抑え、重喜の方へ向きなおった。
「いさぎよくその下手人の名は下手人の口から自白いたしまする。すなわち、俵一八郎を一矢にて射殺しました者は、かく申す竹屋有村、御当家のおため! こう信じてやりました」
見るまに、重喜の顔色が変った。そして神経質に青ざめたまま、いつまでも平静にかえらず、ジッと病的に光る眸をすえた。
「なんでさようなことをなさる! 当家中興の祖義伝公以来、たとえいかなることがあっても、領土へ入りこんだ隠密は殺さぬ掟――間者を殺せば怪異を生むという徳島城の凶事を、そこもとは好んで招き召されたな」
「イヤ凶事を招く意志ではありませぬ。むしろこれを吉兆の血祭りとして、御当家の古き迷信をやぶり新時代の風雪に陣をくりだすの意気を示しましたつもり。また、そのような旧き思想にとらわれている家中の者の蒙をさますためにもと、あえて、かれを殺しました」
「おだまりなさい!」