Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
う
鵜
山本 周五郎
Leggi 鵜 (う) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.733 caratteri · 38 schermate
彼は残りの中から一本を選み、すっかり手入れをして、でかけた。
「その」と段平が云った、「もしも柏原さまがおめえになったら、どんなあんべえに云ったらいいですか」
「釣りにいったと云え」
「その」段平が云った、「おらが考げえるに」
「釣りにいったと云え」
そして半三郎は出ていった。
淵へおりた彼は、爼板岩の上に釣竿が置いてあるので驚いた。四日まえに流した竿である、あのとき流した自分の竿だということはひと眼でわかった。半三郎は怯えたような眼つきで、慌てて周囲を見まわした。
そこはいつものとおりだった。どこにも人は見えなかったし、どこかに隠れているようすもなかった。
「幻でも眼がどうかしたのでもない」と半三郎は呟いた、「あれは事実だった、あの……女は本当にいたんだ」
あの裸の女は実在のものだった。それで彼の流した竿を拾って、此処へ置いたのに違いない、半三郎はそう思った。すると心臓が(あのときのように)どきどきと鳴りだし、顔が赤くなった。半三郎は自分をごまかすように、さりげなく釣りの支度をし、いつもの場所に腰をおろした。腰をおろすとすぐに、岩を叩いて云った。
「頼むぜ、きょうだい」