Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つるはやみき

鶴は病みき

岡本 かの子

Leggi 鶴は病みき (つるはやみき) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.495 caratteri · 53 schermate

Aozora Bunko

「そして、このお姉様も、およそ面倒くさい、うざうざじゃないかねえ。」「ふふん、仕方が無い、さ。」従妹はぱたん、と棕梠バタキで蠅を叩いた。

一しきり昼寝して起きて従妹に羊羹を切らせ、おやつにして居ると、障子の外で、ことん、ことん、廊下を踏む足音がする。「どなた?」と従妹が立って行く先に障子を細目に開けたのは麻川氏だった。「やあ、お茶ですか、また来ましょう。」私は先刻の事などひと寝入りして忘れて仕舞ったあとなので「いいえおはいり下さい。藤村の羊羹が東京から届きましたの。」愛想よく麻川氏に座蒲団をすすめた。氏は片手に紙挟みのようなものを持ってはいって来た。私達のすすめる羊羹を、「うまいですな。」と一切喰べた。そして何か落ちつかない様子で、まじまじ襖や床の間を見て居たが、やがて紙挟みを私の前へ出して、「これ御覧になりませんか。」私「何ですか。」麻川氏「ブックの間から偶然出て来たんですよ。」

私は何気なく氏の手から受け取って見ればそれは一枚のオフセット版でチントレットの裸婦像だった。艶消しの珠玉のような、なまめかしい崇高美に、私は一眼で魅了されて仕舞った。