Classici giapponesi con furigana
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ばんがり
鷭狩
泉 鏡花
Leggi 鷭狩 (ばんがり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.763 caratteri · 22 schermate
――実は小松からここに流れる桟川で以前――雪間の白鷺を、船で射た友だちがあって、……いままですらりと立って遊んでいたのが、弾丸の響と一所に姿が横に消えると、颯と血が流れたという……話を聞いた事があって、それ一羽、私には他人の鷺でさえ、お澄さんのような女が殺されでもしたように、悚然として震え上った。――しかるに鷭は恩人です。――姐さん、これはお酌を強請ったような料簡ではありません。真人間が、真面目に、師の前、両親の前、神仏の前で頼むのとおなじ心で云うんです。――私は孤児だが、かつて志を得たら、東京へ迎えます。と言ううちに、両親はなくなりました。その親たちの位牌を、……上野の展覧会の今最中、故郷の寺の位牌堂から移して来たのが、あの、大な革鞄の中に据えてあります。その前で、謹んで言うのです。――お位牌も、この姐さんに、どうぞお力をお添え下さい。」
と言った。面が白蝋のように色澄んで、伏目で聞入ったお澄の、長い睫毛のまたたくとともに、床に置いた大革鞄が、揺れて熊の動くように見えたのである。
「あら! 私……」
この、もの淑なお澄が、慌しく言葉を投げて立った、と思うと、どかどかどかと階子段を踏立てて、かかる夜陰を憚らぬ、音が静寂間に湧上った。