Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばんがり

鷭狩

泉 鏡花

Leggi 鷭狩 (ばんがり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.763 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

早いもので、湖に、小さい黒い点が二つばかり、霧を曳いて動いた。船である。

睡眠は覚めたろう。翼を鳴らせ、朝霜に、光あれ、力あれ、寿かれ、鷭よ。

雪次郎は、しかし、青い顔して、露台に湖に面して、肩をしめて立っていた。

お澄が入って来た――が、すぐに顔が見られなかった。首筋の骨が硬ばったのである。

「貴方、ちょっと……お話がございます。」

お澄が静にそう言うと、からからと釣を手繰って、露台の硝子戸に、青い幕を深く蔽うた。

閨の障子はまだ暗い。

「何とも申しようがない。」

雪はとなって手を支いた。

「私は懺悔をする、皆嘘だ。――画工は画工で、上野の美術展覧会に出しは出したが、まったくの処は落第したんだ。自棄まぎれに飛出したんで、両親には勘当はされても、位牌に面目のあるような男じゃない。――その大革鞄も借ものです。樊の盾だと言って、貸した友だちは笑ったが、しかし、破りも裂きも出来ないので、そのなかにたたき込んである、鷭を画いたのは事実です。女郎屋の亭主が名古屋くんだりから、電報で、片山津の戸を真夜中にあけさせた上に、お澄さんほどの女に、髪を結わせ、化粧をさせて、給仕につかせて、供をつれて船を漕がせて、湖の鷭を狙撃に撃って廻る。