Classici giapponesi con furigana
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さぎむすめ
鷺娘
大倉 燁子
Leggi 鷺娘 (さぎむすめ) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.370 caratteri · 21 schermate
自分も止めなかったら、やはりこうして晴れの舞台も踏めるものを――、見物の拍手を浴びて引込む時の愉快さを思うと身内がうずくようだった。
「久しく見ないが、百合ちゃん、きっと上手になっただろう」羨しい、嫉ましい、淋しいごちゃごちゃな感情が込み上げてきて眼が熱くなる。思わず溜息を吐いた時、廊下を慌しく馳ける音がして、突然、百合子が入って来た。彼女の顔は死人のように真青だ、一目見た時そのただならぬ表情に驚いたが、次ぎの瞬間にはいきなりとられたまゆみの手に、わなわなと烈しく震えている百合子の手を感じて二度びっくりした。
「まゆみちゃん!」
百合子は彼女の膝に泣き崩れた。
「どうしたのよ、そんな青い顔をして――、泣かないで話してごらんよ」
「ああ、私、口惜しいわ!」
百合子は下唇を血の染むほど噛みしめて、ぼろぼろと涙を頬に伝わらせ、
「家元さんはほんとにひどい人よ」
「あんた、叱られたの?」
「叱られたんじゃない、いじめられたのよ、口惜しいわ、まゆみちゃん」百合子は麻のハンケチを前歯でピリピリ引き裂き、きっとなって、
「あんた、私の一生のお願いきいて下さらない? 私を助けて頂戴よ」