Classici giapponesi con furigana
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おうむぐらかえくびでんせつ
鸚鵡蔵代首伝説
国枝 史郎
Leggi 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.083 caratteri · 26 schermate
嬉しさ! 恋しさ! お篠は又も声限りに呼んだ。
「雄之進殿オーッ」
「お篠オーッ」
手燭の燈も消えた暗い蔵の中では、菊弥が恐怖で足も立たず、床を這い廻っていた。と、戸外から聞き覚えのある姉の声で、人を呼んでいるのが聞こえた。菊弥は嬉しさに声限り、
「お篠お姉様アーッ」と呼んだ。
壁を切り抜かれて、鸚鵡蔵の機能を失った蔵は、お篠の呼び声に答えはしなかったが、そう呼んだ菊弥の声を、切り抜かれた穴から戸外へは伝えた。しかし菊弥は心身ともに弱り切っていたので、語尾の「お姉様アーッ」というのが切れ、戸外へは――お篠の耳へは、
「お篠オーッ」としか聞こえなかった。
しかしお篠には、その声が、蔵の中で菊弥が呼んでいる声などとは思われなかった。良人が呼び返す声だと思った。
幾度も幾度も呼んで、そのつど答える良人の声に耳を澄ました。
「雄之進殿オーッ」
「お篠オーッ」
竹藪の中では、首を折って、飯食い地蔵の名に背くようになった石の地蔵尊が、嘉十郎の死骸を、なおその胴体で抑えていた。
その後の納谷家には、明るい生活がつづいた。先ず菊弥は女として育てられることになり、鸚鵡蔵と飯食い地蔵とは、その名に背くようになったところから、二つながら取り毀され、代首も真の秘密とその効用とが他人に知られた以上――知った綱五郎は殺されたにしても――保存