Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きりん

麒麟

谷崎 潤一郎

Leggi 麒麟 (きりん) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9040 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

「妾は時々霊公と共に車を駆って、此の都の街々を過ぎる。そうして、若し霊公が情ある眼つきで、流眄を与えた往来の女があれば、皆召し捕えてあのような運命を授ける。妾は今日も公と先生とを伴って都の市中を通って見たい。あの罪人達を見たならば、先生も妾の心に逆う事はなさるまい。」

こう云った夫人の言葉には、人を壓し付けるような威力が潜んで居た。優しい眼つきをして、酷い言葉を述べるのが、此の夫人の常であった。

西暦紀元前四百九十三年の春の某の日、黄河と淇水との間に挟まれる商墟の地、衛の国都の街を駟馬に練らせる二輛の車があった。両人の女孺、翳を捧げて左右に立ち、多数の文官女官を周囲に従えた第一の車には、衛の霊公、宦者雍渠と共に、妲妃褒の心を心とする南子夫人が乗って居た。数人の弟子に前後を擁せられて、第二の車に乗る者は、尭舜の心を心とする陬の田舎の聖人孔子であった。

「あゝ、彼の聖人の徳も、あの夫人の暴虐には及ばぬと見える。今日からまた、あの夫人の言葉が此の衛の国の法律となるであろう。」

「あの聖人は、何と云う悲しい姿をして居るのだろう。あの夫人は何と云う驕った風をして居るのだろう。