Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たそがれ

黄昏

宮本 百合子

Leggi 黄昏 (たそがれ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.500 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

「それを、どうしてのぶ子は知っているのだろう」

流石(さすが)に、おくめは動悸の速まるのを覚えた。

彼女は暗い足元を拾うように下を見ながら、

「どうしてお前判ったの?」

と訊き返した。

「前にもちょいちょい会ったことがあるんですもの――」

のぶ子は、優しく弁解するような口調で云った。

「――姉さんの家で会ったことがあるの。――だから今度も東京へ来たって知らせてよこしたんだわ」

子供の時から、あんなに仕様のない父親と云い聞かせて置いても物心がつくと、自分に隠してまで会いたく思うのかと思うと、おくめは感動せずにはいられなかった。ただ、親子の縁が断ち難く深いばかりでなく、もうまるで関係ないものと思って来た自分と良人との間は、見えないどこかで、確かりと結び合わされていたのか、と驚くような心持さえするのである。

おくめは、深い思いをかくして、気強く、

「とにかく迷惑のかからないようにしなければいけないよ」

とつぶやいた。

「姉さんだって、一家を持っている体だし、お前だってこれから一人立ちをしようという大切なところだもの。また何かのことでひどい目にでも遭わされたら……」

「大丈夫よ。