Classici giapponesi con furigana
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こうとう
黄灯
田中 貢太郎
Leggi 黄灯 (こうとう) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.262 caratteri · 21 schermate
ない自動車に轢殺されたと云うことになってるが、悪党のやった仕事さ、あの悪党奴、夫人と俺との関係を発きたてて、夫人を追っ払って、下谷に置いてある妾を引きずりこもうと思ったが、養子という弱身があるので、いろいろ考えた末に、まず俺だけ葬って、夫人の方は後まわしにしたのだ、もすこし待っておれ、あの悪党奴に復讐する時が来たのだ」
書生はまた物凄く笑った。
「悪党と云いますと、殿様でございますか」
「そうさ、伯爵さ、貴族院議員なんて澄まし込んでやがるが、悪党だよ」と云った書生は、急に主翁の肩を突いて、
「見ろ、あの様を、もう、すぐ演戯が始まるぞ」
主翁は榻の方を見た。夫人の両手が蛇のように男の頸にからみついていた。同時に微な女の笑い声が聞えた。
「もすこしこっちへ寄るがよい、今に役者が入ってくる」
書生は主翁の衣服を抓んで引っぱった。主翁は云うとおりになって書生の方へ寄った。そこには書生が開けたままの障子が開いていた。主翁は障子の方へ注意していた。
よたよたと歩くような跫音が聞えた。いよいよ何人かが入って来た。と、思っていると、今まで母屋の西洋室で寝ていた病人の伯爵の顔が見えた。