Classici giapponesi con furigana
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こうちょうのなげき
黄鳥の嘆き
甲賀 三郎
Leggi 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.792 caratteri · 82 schermate
「弟はどうしている?」
「重武か」と、二川は吐き出すようにいって、「奴は相変らずだ。住所も定めずにうろつき廻っているが、感心に金だけはキチンと要求して来るよ」
「山登りを始めたというじゃないか」
「ウン、二三年来、日本アルプスとかいって、信州や飛騨の山を歩いているらしい。東京にいて女狂いや詐欺みたいな事をされるより勝しだと思っているんだ」
「そうとも、重武君もそうやって、登山なんか始めた所を見ると、性根が直ったのじゃないかね」
「駄目だよ。あの腐った性根は死ぬまで直りっこないよ。遇に神妙にしていると思えば、きっと何か企んでいるんだからね。僕はあれが谷にでも落ちて死んで終えばいゝと思っているよ」
重武の話で、彼は又そろ/\不機嫌になって来たので、再び話題を転じて、毒にも薬にもならない世間話をしていゝ加減の所で切上げて来た。
帰りがけに彼は機嫌よく、
「又、ちょい/\来て呉れ給え。それから顧問弁護士の方も頼むよ」
といった。
顧問弁護士の方は兎も角、仲直りが出来て大へんよかったと思った。
次はそれから二三ヶ月経った頃の日記だった。
今日二川の事をよく知っている男から、二川の細君は妊娠して、その養生の為京都の里に行っているという事を聞いた。