Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
ところが、無謀にもその一派は羅馬教会に大啓蒙運動を起した。で、結局十二人は異端焚殺に逢ってしまったのだが、ウイチグスのみは秘かに遁れ、この大技巧呪術書を完成したと伝えられている。それが後年になって、ボッカネグロの築城術やヴォーバンの攻城法、また、デイやクロウサアの魔鏡術やカリオストロの煉金術、それに、ボッチゲルの磁器製造法からホーヘンハイムやグラハムの治療医学にまで素因をなしていると云われるのだから、驚くべきじゃないか。また、猶太秘釈義法からは、四百二十の暗号がつくれると云うけれども、それ以外のものはいわゆる純正呪術であって、荒唐無稽もきわまった代物ばかりなんだ。だから支倉君、僕等が真実怖れていいのは、ウイチグス呪法典一つのみと云っていいのさ」
はたして、この予測は後段に事実となって現われたけれども、その時はまだ、検事の神経に深く触れたものはなく、法水が着換えに隣室へ立ったあいだ次の一冊を取り上げ、折った個所のある頁を開いた。それは、明治十九年二月九日発行の東京新誌第四一三号で、「当世零保久礼博士」と題した田島象二(酔多道士――「花柳事情」などの著者)の戯文だった。