Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
「すると、その疲労に失神の原因が?」と熊城は喘ぎ気味に訊ねた。
「ウン疲労時の証言を信ずるな――とシュテルンが云うほどだからね。そこへ何か、予想外の力が働いたとしたら、まさしく絶好な状態には違いないのだ。ただし何もかも、倍音発生の原因が証明された上でだ。あれは確かに、不在証明中の不在証明じゃないか」
「では、伸子の弾奏術としてでかい」と検事は驚いて問い返した。「僕はとうてい、あの倍音が鐘だけで証明出来ようとは思わんがね。それより手近な問題は、鎧通しを伸子が握らされたか否か――にあると思うのだ」
「いや、失神してからは、けっして固く握れるものじゃない」と法水は再び歩きはじめたが、すこぶる気のない声を出した。「勿論それには異説もあるので、僕は専門家の鑑定を求めたのだよ。それに、易介の死とも時間的に包括されている。召使の庄十郎は、当然絶命後一時間と思われる二時に、易介の呼吸を明らかに聴いた――と陳述しているんだが、その時刻には、伸子が経文歌を奏でていた。そうすると、最後の讃詠を弾くまでの二十分あまりの間に、易介の咽喉を切り、そうして失神の原因を作ったと見なけりゃならない。