Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
しかも、ノイエンホーエンの城内にて、その事をいたく非難されしも、ウイルヘルム侯は顔色さえも変えず)
しかも、それのみでは飽き足らずに、検事は執拗な態度で毒吐いた。
「ああ、悲しむべき書目よ――じゃないか、まさに、君特有の書斎的錯乱なんだろうがね。無論あの驚嘆すべき現象に対しては、児戯にすぎんよ。どうして、深奥どころの話か、てんで遊戯的な散策とも云える価値はあるまい。ところで君が、もし鐘鳴器室の場面に、精確なト書がつけられないようだったら、もうこれ以上講演はやめにしてもらおう」
「ところがねえ支倉君」と法水は、相手の冷笑を静かに微笑み返して云った。「どうして、犯人が猶太人でなければ、あの時伸子に蝋質撓拗症を起させることが出来ただろうか。ある瞬間に伸子は、まるで彫像のように、硬直してしまったのだよ。したがって、あの廻転椅子の位置は、そうなれば無論問題ではないのだ」(註)
(註)一種の硬直症。この発作は、突然意識を奪い患者の全身を硬直させ、それ自身の意志による随意運動をまったく不可能にする。しかし、他からの運動には全然無抵抗で、まるで、柔軟な蝋か護謨の人形のように、手足はその動かされた所の位置に、いつまでも停止している。