Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
ああ、こんなものが、十二宮秘密記法の解答だなんて」
法水も、この衝撃からすぐに恢復することは困難だった。明らかにそれは、二重に重錘の加わった、失望を意味するのだから。では、何故かと云うに、ディグスビイが設計者だったということから、ほとんど疑う余地のなかった秘密通路の発見に、まずまんまと失敗してしまった――それは、無論云うまでもないことである。けれども、それと同時に、事件の当初ダンネベルグ夫人が自筆で示したところの、人形の犯行という仮定を、わずかそれ一筋で繋ぎ止めていた顫音の所在が明白になった。それなので、いよいよ明瞭とここで、あのプロヴィンシヤ人の物々しい鬼影を認めなければならなくなってしまったのだ。しかし、以前の室に戻ってその一冊を開くと、法水は慄然としたように身を竦めた。けれども、その眼には、まざまざと驚嘆の色が現われた。
「ああ、驚くべきじゃないか。これは、ホルバインの『死の舞踏』なんだよ。しかも、もう稀覯に等しい一五三八年里昂の初版なんだ」
それには、四十年後の今日に至って、黒死館に起った陰惨な死の舞踊を予言するかのように、明瞭とディグスビイの最終の意志が示されていた。