Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
それを洋橙を口に含んだ瞬間に知って、ダンネベルグ夫人が僕等に知らそうとしたのだよ」
その紙片の上に書かれてある文字を見て、法水はギュッと心臓を掴まれたような気がした。検事は、むしろ呆れたように叫んだ。
「テレーズ! これは自働人形じゃないか」
「そうなんだよ。これにあの創紋を結びつけたなら、よもや幻覚とは云われんだろう」と熊城も低く声を慄わせた。「実は、寝台の下に落ちていたんだが、それをこのメモと引合わせてみて、僕は全身が慄毛立った気がした。犯人はまさしく人形を使ったに違いないのだ」
法水は相変らず衝動的な冷笑主義を発揮して、
「なるほど、土偶人形に悪魔学か――犯人は、人類の潜在批判を狙っているんだ。だが、珍しく古風な書体だな。まるで、半大字形か波斯文字みたいだ。でも君は、これが被害者の自署だという証明を得ているのかい?」
「無論だとも」熊城は肩を揺ぶって、「実は、君達が来た時にいたあの紙谷伸子という婦人が、僕にとると最後の鑑定者だったのだ。で、ダンネベルグ夫人の癖と云うのはこうなんだ。鉛筆の中ほどを、小指と薬指との間に挾んで、それを斜めにしたのを、拇指と人差指とで摘んで書くそうだがね。