Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate

Aozora Bunko

「それでは、私に聯想語をお求めになりますの。黄から紅に――そうすると、それが黄橙色になるではございませんか。黄橙色――ああ、あのブラッド洋橙のことを仰言るのでしょう。それで、きっと貴方は、私が嚥んだ檸檬水の麦藁から、石鹸玉が飛び出したとでも……。いいえ私は、麦藁を束にして吸うのが習慣なのでございますわ。でもそうなったら、その束が一度に弦へは、番らないではございませんか」と伸子の皮肉が、猛烈な勢いで倍加されていった。「それから、あのダン――丁抹国旗が悲しい半旗となったということが、あのダンネベルグが私に何の関係がございますの。そして、青酸加里がいったいどんな……」

「いや、けっしてそんな……。むしろその事は、僕が津多子夫人に対して云うべきでしょう」と法水は微かに紅を泛べたが、静かに云った。

「実は、その黄から紅に――と云うのが、アレキサンドライトと紅玉との関係なんですよ。ねえ伸子さん、たしかあの時貴女は、拒絶の表象――紅玉をつけたのではありませんか」

「いいえ、けっして……」と伸子は法水を凝っと見詰め、声に力を罩めた。「その証拠には、演奏が始まる直前でしたけども、旗太郎様が私の髪飾りを御覧になって、いったいレヴェズ様のアレキサンドライトをどうして――とお訊ねになったのを憶えておりますわ」