Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
しかしダンネベルグ夫人のは、そういった蕪雑な目撃現象ではありません」
聴き終ると、鎮子は微かな驚異の色を泛べたが、別に顔色も変えず、懐中から二枚に折った巻紙形の上質紙を取り出した。
「御覧下さいまし。算哲博士のお描きになったこれが、黒死館の邪霊なのでございます。栄光は故なくして放たれたのではございません」
それには、折った右側の方に、一艘の埃及船が描かれ、左側には、六つの劃のどのなかにも、四角の光背をつけた博士自身が立っていて、側にある異様な死体を眺めている。そして、その下にグレーテ・ダンネベルグ夫人から易介までの六人の名が記されていて、裏面には、怖ろしい殺人方法を予言した次の章句が書かれてあった。(図表参照)
黒死館の邪霊の図
グレーテは栄光に輝きて殺さるべし。
オットカールは吊されて殺さるべし。
ガリバルダは逆さになりて殺さるべし。
オリガは眼を覆われて殺さるべし。
旗太郎は宙に浮びて殺さるべし。
易介は挾まれて殺さるべし。
「まったく怖ろしい黙示です」とさすがの法水も声を慄わせて、「四角の光背は、確か生存者の象徴でしたね。そして、その船形のものは、古代埃及人が死後生活の中で夢想している、不思議な死者の船だと思いますが」