Classici giapponesi con furigana
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くろねことみ
黒猫十三
大倉 燁子
Leggi 黒猫十三 (くろねことみ) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.366 caratteri · 29 schermate
やっと十二三位だろうか、立派な服装をした少女だった。顔は伏せているのではっきり分らないが、ウェーヴした断髪が襟足に乱れかかって、何とも云えぬ美しさだ。桃色のドレスの肩から流れ出ている血汐は、細そりした白蝋のような腕を伝わり、赤い一筋の線を描きながら、白いゴム・マットの上に滴り落ちて、窪んだ処へ溜っている。抱き起してみようと思って、そッと体に手を触れたら、ぬらぬらとした赤いものが、ベットリと掌に着いた。掌ばかりではない、よく見ると、ズボンの膝にも、ワイシャツの袖口にも血がねばりついている。血だらけだ。
本庄は考えた。これを人が見たとしたら、どう思うだろう。足許には死んだ女が転がっている、その傍には血に染んだ、ずぶ濡れの男が蹲っている、しかも興奮して――、となるとどうしたって、俺は有力なる容疑者、という恰好だ。馬鹿々々しい、こんな係り合いになっちゃ、それこそ大変だ。
彼は急に空恐しくなって、逃げ出そうと思った。走っている車から飛び降りる積りで、扉に手を掛けた、が、また考え直して止めてしまった。
崩折れるように腰を下すと、ほうッと大きな溜息を吐いて、思わず心に呟いた。