Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

くろゆり

黒百合

泉 鏡花

Leggi 黒百合 (くろゆり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 78.148 caratteri · 154 schermate

Aozora Bunko

「また始めたい、理窟をいったってはじまらねえ。可いからまあ難有うと、そういってみねえな、よ、厭なら止せ。」

「乱暴ねえ、」

「そっちアまた強情だな、可いじゃあないか難有う……と。」

「じゃアまああっちへ参りましょう。」

と言いかけて勇美子は身を返した。塀の外をちらほらと人の通るのが、小さな節穴を透して遙に昼の影燈籠のように見えるのを、熟と瞻って、忘れたように跪居る犬を、勇美子は掌ではたと打って、

「ほら、」

ジャムは二三尺飛退って、こちらを向いて、けろりとしたが、衝と駈出して見えなくなった。

「活きてるんだな。やっぱり。」といって滝太郎一笑す。

振向いて見たばかり、さすがこれには答えないで、勇美子は先に立って鷹揚である。

三

「いらっしゃいまし。」

縁側に手を支えて、銀杏返の小間使が優容に迎えている。後先になって勇美子の部屋に立向うと、たちまち一種身に染みるような快い薫がした。縁の上も、床の前も、机の際も、と見ると芳い草と花とで満されているのである。ある物は乾燥紙の上に半ば乾き、ある物は圧板の下に露を吐き、あるいは台紙に、紫、紅、緑、樺、橙色の名残を留めて、日あたりに並んだり。