Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ねずみざか
鼠坂
Leggi 鼠坂 (ねずみざか) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7781 caratteri · 16 schermate
それと室内の青白いような薄明りとは違うらしい。小川は兎に角電燈を附けようと思って、体を半分起した。その時正面の壁に意外な物がはっきり見えた。それはこわい物でもなんでもないが、それが見えると同時に、小川は全身に水を浴せられたように、ぞっとした。見えたのは紅唐紙で、それに「立春大吉」と書いてある。その吉の字が半分裂けて、ぶらりと下がっている。それを見てからは、小川は暗示を受けたように目をその壁から放すことが出来ない。「や。あの裂けた紅唐紙の切れのぶら下っている下は、一面の粟稈だ。その上に長い髪をうねらせて、浅葱色の着物の前が開いて、鼠色によごれた肌着が皺くちゃになって、あいつが仰向けに寝ていやがる。顋だけ見えて顔は見えない。どうかして顔が見たいものだ。あ。下脣が見える。右の口角から血が糸のように一筋流れている。」
小川はきゃっと声を立てて、半分起した体を背後へ倒した。
翌朝深淵の家へは医者が来たり、警部や巡査が来たりして、非常に雑した。夕方になって、布団を被せた吊台が舁き出された。
近所の人がどうしたのだろうと囁き合ったが、吊台の中の人は誰だか分からなかった。