Classici giapponesi con furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Leggi 鼻の表現 (はなのひょうげん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.303 caratteri · 141 schermate
善因善果、悪因悪果、悔い改めよの、心を入れ換えよの、やれ神罰の、仏罰の、天の怒り地の祟り、親罰、子罰、嬶罰のと、四方八方からの威し文句の宣伝ビラが昔から到る処ふり撒かれておりますが、近頃の人間は頓と相手にしなくなりました。恰も往来の塵同様、ハイカラ風の吹き散らすに任せ、文化の雨がタタキ流すに任せております。
しかし鼻の表現ばかりはそうは行かぬ。「天に口なし、鼻を以て云わしむる」という事を覿面に証拠立てるものであるという事が、もし本当に人類全体にわかったらどうでしょう。今云っている言葉、今やっている表現が、本当に心から出たのであるかどうかという事を即座に判決する裁判官が、自分の顔の真中に控えているという事が真実に一般に自覚されたらどうでしょう。
「そんな事があるものか」と笑う人の鼻の表現にはきっと負け惜みの色が動いているものであるという事が判明したら、そもそもどんな事になるでありましょうか。
鼻の無い方が世間に何人おられるか存じませぬが、そんな方はお気の毒ですからここではイジメませぬ。さもない限りすべての鼻の持主は、正に人類文化の大革命、表現界の大恐慌として狼狽されるに違いありませぬ。