Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Leggi 鼻の表現 (はなのひょうげん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.303 caratteri · 141 schermate
喧嘩なら持って来い。俺が相手になってやる。篦棒めえ、誰だと思っていやがるんだ」
と大見得を切って立ち上っても、臆病者の鼻の表現は必ず魘えた色を見せております。
小田原評定の場合なぞ、真中へ出て理屈をこねまわしている鼻が案外無責任らしく見える一方に、隅っこで黙って聞いている鼻が却って頼もし気に見える事なぞはよくあります。
こんな例は挙げたら限りも無い事でありますからこれ位で略します。
いずれにしても、鼻が如何に忠実に各種の表現の主役をつとめているものであるか。その補助機関が如何に誤魔化そうとしても鼻の表現ばかりは偽る事が出来ないものであるという事は、右に挙げました実例だけでも一通り説明し尽されている事と信じます。
極めて大掴みに考えて見ますと、鼻以外の表現はその人の上っ面の表現だけを受け持っているもののようであります。偽ろうと思えば偽り得る範囲に限られていると見て大した過ちは無いようであります。
それ以外のものは全部鼻が受け持って表現していると考えてよろしいようで、しかも又この任務は断じて奪う事は出来ないのが原則と認めて差し支えありませぬ。手で撫でても、ハンケチで拭いても、又は別誂えの咳払いをしても、鼻の表現ばかりは掻き消す事も吹き払う事も出来ないのであります。