Classici giapponesi con furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Leggi 鼻の表現 (はなのひょうげん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.303 caratteri · 141 schermate
と「止むを得ぬ」とを同時に占領する事が出来るのであります。
「あなたの御蔭で私は起死回生の思いを致しました。御鴻恩は死んでも忘却致しませぬ」
「どう致しまして。畢竟あなたの御運がいいので……何しろ結構で御座いました」
というような会話が如何にもまことしやかに取り換わされます。ところがお礼を云われた方では何だか物足りないような気がしている。
「あいつどうも本当に有難がっていないらしい。世話をして見ると案外軽薄な奴に見える。一寸一杯喰わされたかな」
という一種の不愉快と不安が湧いている。そのような場合はきっと相手の鼻が衷心からの感謝の意を表明していないためで、
「こう云っときゃあ喜ぶだろう。又頼む時にも都合がいいから」
位の有難さしか感じていないその熱誠の度合いがそっくりそのまま鼻の頭に顕われていて、その眼や口が表現している熱度よりも著しく低い度合を示しているからであります。
「お宅に伺いますとついのんびりして了うので御座いますよ。ほんとに気が置けなくて……それにまあいつも晴々した見晴らしで御座いますこと……オヤ坊ちゃんおとなしですこと……一寸入らっしゃい、抱っこしましょう」