후리가나로 읽는 일본 고전
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あさましきもの
あさましきもの
太宰 治의 あさましきもの을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,825자 · 4화면
てんから疑って呉れなかった。
男は、キネマ俳優であった。岡田時彦さんである。先年なくなったが、じみな人であった。あんな、せつなかったこと、ございませんでした、としんみり述懐して、行儀よく紅茶を一口すすった。
また、こんな話も聞いた。
どんなに永いこと散歩しても、それでも物たりなかったという。ひとけなき夜の道。女は、息もたえだえの思いで、幾度となく胴をくねらせた。けれども、大学生は、レインコオトのポケットに両手をつっこんだまま、さっさと歩いた。女は、その大学生の怒った肩に、おのれの丸いやわらかな肩をこすりつけるようにしながら男の後を追った。
大学生は、頭がよかった。女の発情を察知していた。歩きながら囁いた。
「ね、この道をまっすぐに歩いていって、三つ目のポストのところでキスしよう」
女は、からだを固くした。
一つ。女は、死にそうになった。
二つ。息ができなくなった。
三つ。大学生は、やはりどんどん歩いて行った。女は、そのあとを追って、死ぬよりほかはないわ、と呟いて、わが身が雑巾のように思われたそうである。
女は、私の友人の画家が使っていたモデル女である。