후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あめんちあ
あめんちあ
富ノ沢 麟太郎
富ノ沢 麟太郎의 あめんちあ을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,594자 · 83화면
「壁の表にぶらさがっている時計へ向って欠伸ばかりしている君は、くたびれて飛べなくなった鳥のようなものだね――」
取り散らかされた書物は、一一彼へ話しかけていた。
彼は途方に暮れた。
そうしてそれぞれの声は、ちょうど同一の音調を打ちつづけて、何処まででも進んで行くいろいろのキイででもあるかのように、それぞれのおしゃべりをつづけていた。
そうして彼は、人間の音声を聴くことを奪われた永遠の島のなかの人のように人間の言葉を聴き得なくなった。
人間の言葉を忘れてしまった。
*
或日――
親友の青沼白心は、突然にひょっこり現われた猫のように、彼の下宿を訪ねた。
親友は大へん落着いた調子で話しはじめた。
しかし彼には、親友の喋っていることが一体何ごとであるか少しも飲みこめなかった。
「で、君は是非とも浦和博士に面会してみるのだね――」
いつの間にか彼の耳はこんな言葉を捉えていた。
「浦和博士?」
彼は彼等の会話が、たったいまここからでもはじめられたかのように訊返した。
「うむ、君にしたところで、教室では一面識がないという訳でもなかろう、倫理学の大家の――」
「あ。
」
彼は思い出すことがあったかのように、しずかに応えたのではあったが、その実、その名ざされた博士の俤さえ思い出してはいなかった。