후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
いしがおごる
いしが奢る
山本 周五郎
山本 周五郎의 いしが奢る(いしがおごる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,304자 · 45화면
二人は廊下から床へ出ていった。
思ったほどではないが、寒さは強かった。空が曇っているので、海は暗く漁火も見えなかった。保馬の手はいしの肩を抱いた。いしの手は保馬の躯に巻かれていた。寒さがきびしいので、お互いの躰温がいっそう温たかく感じられるようであった。
「もう四五日すると江戸へ帰る」と保馬が云った、「はなしは聞いたろうね」
いしはこくんと頷いた。躯がひどく震えだしたので、保馬はきつく抱き寄せた。
「でもあたし、わたくし、とても……」
「いやだというのかい」
「いいえ」強く首を横に振った、「とても本当とは思えないんです、今でも本当とは思えませんの、夢でもみているような気持ですわ」
「それでいいじゃないか、一生さめない夢にすることだってできる」
いしは躯をすり寄せた。巻きつけた腕に力をこめ、保馬の胸へ顔を伏せた。
「あのお扇子を返して下さいましね」
「返すよ」
「本当に江戸へゆけますのね」
「もちろんだよ」
いしはくくと咽びあげた。
「じゃああたし、ずいぶん儲かっちゃいますわね」と咽びあげながら云った、「――もうしみ抜き代を払わなくってもよくなるんですもの、ねえ、そうですわね」