후리가나로 읽는 일본 고전
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いなか、の、じけん
いなか、の、じけん
夢野 久作
夢野 久作의 いなか、の、じけん을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 39,535자 · 78화면
それから七年の間、方々を流浪していると、昨年の春から母親が癆症で、腰が抜けたので、とうとうこの川上の部落に落ちつく事になったが、丁度その時が適齢だったので、呼び出されて検査を受けると、美事に甲種で合格した。しかし西村二等卒は入営しても決して贅沢をしなかった。給料を一文も費わないばかりか、営庭の掃除の時に見付けた尾錠や釦を拾い溜めては、そんなものをなくして困っている同僚に一個一銭宛で売りつけて貯金をする。そうして日曜日を待ちかねて、母親を慰めに行くことが聯隊中の評判になったので、遂に聯隊長から表彰された。性質は極めて柔順温良で、勤務勉励、品行方正、成績優等……曰く何……曰く何……。
西村さんの評判はそれ以来絶頂に達した。日曜になると村の子守女が、吾も吾もと出かけて、川上の部落を取り巻いて、西村さんの親孝行振りを見物した。西村さんが病人の汚れものと、自分のシャツを一緒にして、朝霜の大川で洗濯するのを眺めながら「あたし西村さんの処へお嫁に行って上げたい」「ホンニナア」と涙ぐむ者さえあった。
そのうちに新聞社や、聯隊へ宛ててドシドシ同情金が送りつけて来たが、中には女の名前で、大枚「金五十円也」