후리가나로 읽는 일본 고전
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うすゆきしょう
うすゆき抄
久生 十蘭
久生 十蘭의 うすゆき抄(うすゆきしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,454자 · 59화면
禁厭や物忌の手段にかけては、なにひとつ不足のない時代のことだから、道益はこれというほどのことはみなやったが、なお、二人の子供の将来にそなえるために、出来るかぎり資産を積んでおいてやろうと思った。この世は金が物言う便利な世界で、金で落せぬ判官もなく、金でほころばぬ渋面もない。非業とだけでは、どういう死にかたをするのか予想もつかないが、山ほど金を積んでおいてやれば、運数の呵責をいくぶん軽くすませることもあろうかというところから、一念発起して、猛然と金つくりにとりかかった。
道益は、能登屋、臙脂屋などと肩をならべ堺十人衆の中座にすわり、朝鮮や明に手船を出して、異国の物貨を取仕切っていたが、こんなことでは捗がいかぬと急に鉄砲買いを思いつき、商用の便宜のために心にもない切支丹のお水を授かり、葡萄牙人の間を駆けまわって、鉄砲、鉄砲薬、鉄砲玉、火砲、海戦道具と、戦争の諸道具を大段に買いつけ、織田もその敵の毛利にも、そのまた敵の細川にも、一切無差別に売り沽し、相模府中の小田原に南蛮座をつくって、堺では見向きもされぬ南蛮端物の納屋払いをしたりし、わずかの間におどろくような蓄財をなしとげたのである。