후리가나로 읽는 일본 고전
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おじさんのはなし
おじさんの話
小山 清
小山 清의 おじさんの話(おじさんのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,232자 · 42화면
店の間の羽目板に背をもたせて、生まあくびをしているおじさんの様子には、陸に上った河童のような気の毒さがあった。
「おじさん、だいぶ辛抱がつづくね。」
と云ったら、おじさんは苦笑いして、「人の悪いことを云うぜ。」と云うような目つきをした。辛抱はしていても、思いは遠く水天宮の空の方へ行っているようであった。そのうちまたいつからともなく、おじさんの御出勤がはじまった。おじさんの日常はまったく旧にかえった。店の方としては、警察の方がおじさんの身柄を拘束しない限りは、なにも不都合なことはなかった。そしてその後しばらくは無事であったが、ようやく戦争の旗色が悪くなってきた頃に、或る日またおじさんは帰って来なかった。こんどは私が警察へ様子を見に行った。刑事部屋へいって、おじさんの名前を告げて、様子を訊くと、刑事はとぼけた顔をして、
「知らんね。いるかも知れない。いないかも知れない。」
と云った。私が困惑して、
「年寄なんですが。」
となおも念を押して尋ねると、刑事は呑み込みの悪い男だなと云わんばかりの表情で私の顔を見て、
「だから、いるかも知れない、いないかも知れないと云っているじゃないか。