후리가나로 읽는 일본 고전
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そのきどをとおって
その木戸を通って
山本 周五郎
山本 周五郎의 その木戸を通って(そのきどをとおって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,448자 · 44화면
正四郎は枕許に坐って、涙ぐんだような眼つきで、そのようすを眺めていた。
穏やかに日は経っていった。ふさの肥立ちは好調で、乳も余るほど出たし、その翌年の三月、ゆかは麻疹にかかったが、それも無事に済んだ。江戸の父からは「ゆかのようすを知らせろ」とうるさいほど云って来、母はふさに宛てて、子の育てかたを繰り返し書いてよこした。田原権右衛門もよく訪ねて来、これはまだ孫に恵まれないためだろう、危なっかしい手つきで抱いて、庭の中を飽きずに歩きまわったりした。
八月十五日の夜、正四郎は妻とゆかとの三人で月見をした。庭の芝生へ毛氈を敷き、月見の飾り物を前に酒肴の膳を置いた。雪洞をその左右に、蚊遣りを焚かせ、正四郎もふさも浴衣にくつろいで坐った。かた言を云い始めたゆかは、屋外の食事が珍しいので、母と父の膝を往き来しながら上機嫌にはしゃぎ飾り物の団子をたべるのだと、だだをこねて泣いたりした。これは明日焼いてたべるものだ、と正四郎がなだめると、ゆかはつんとして、「たあたまはあたらとちりろだ」などと云った。
「あたらとちりろとはなんだ」と彼は妻に訊いた。
「さあ、なんでしょうか」