후리가나로 읽는 일본 고전
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そのきどをとおって
その木戸を通って
山本 周五郎
山本 周五郎의 その木戸を通って(そのきどをとおって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,448자 · 44화면
「とにかく」と吉塚が云った、「お会いになってみてはいかがですか」
「よし会おう」ちょっと考えてから正四郎は頷いた、「客間へとおしておいてくれ」
家扶が娘を案内したと云いに来てから、約四半刻して正四郎は客間へいった。そのまえに彼は次の間から、襖を少しあけて覗いて見、まったく見覚えのない顔だということを慥かめた。
――誰かのいたずらか、罠だ。
彼はそう思い、そんな手に乗るおれかと、些かきおいこんで客間へはいっていった。娘は十七か八くらいにみえた。ふっくりとした顔だちで、顎が二重にくびれ、眼も口も、小さく、鼻がほんの少ししゃくれている。躯も小柄のようであるし、肩もまるく小さかった。むらの物を借りたのであろう、地味な鼠色小紋の着物に、黒っぽい帯をしめ、頭には蒔絵の櫛と、平打ちの銀の釵をさしていた。正四郎がこれだけのことを観察するあいだ、娘は眼を伏せたままじっと坐っていた。
「私が平松正四郎です」彼は切り口上で云った、「どういうご用ですか」
娘は眼をあげて彼を見た。彼はその眼を強く見返した。娘の小さな眼がぼうとなり、小さな唇がわなないたとみると、膝の上で両手を握りしめながら、やわらかにうなだれた。