후리가나로 읽는 일본 고전
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 153,732자 · 303화면
詫間が笑った。
「そうだろうと思いました。グリルへ入っておいでになるお顔つきで、きょうはなにをめしあがりたいか、ちゃんと詫間にわかりますんです」
詫間がうまい手つきで焼けた鉄板へ捏粉のかたまりを投げつけた。皿を持っているうちに、ヴァニラとカラメルの焦げるいい匂いがして、黄色い捏粉がセピア色になってふくふくと膨れあがった。
スウフレの皿を持って裏の鳩射ち場へ行って、芝生に坐ってひとりでモソモソ食べていると、珠子さんと長謙さんが手をひきあいながらクラブ・ハウスから出てきた。
見かけはひどくロマネスクだが、そんなことをしたってどちらもうれしくも痒くもない。クラブではこの二人に、〈あまり早くから自由に遊びだしたので、倦怠でどうにもならなくなっているのに、なんとかしてむかしの感激をとり戻そうと努力している永遠の恋人〉という長いタイトルをつけている。
競走自動車はまたなにか腹をたて、蚊とんぼのように痩せた製本芸術の手をグイグイひきながらあたしのそばまでやってくると、白のすごいジョオゼットがよごれるのもかまわず、乱暴に草の上へすわりこんだ。
長謙さんは珠子さんと並んで足をなげだすと、近眼鏡をゆりあげながらショボショボした顔でなにかいいだした。